皆さん、今日は、英語の語彙を効果的に記憶する方法3つの学習理論をご紹介します。自分にあった学び方はどれか、皆さんも試しながら見つけていってください。
プロダクション効果(The Production Effect)
語彙を記憶する際に、声に出して読むことが重要です。この方法は、読んだ内容をより記憶しやすくする効果があります。これは何となくわかりますよね。ぶつぶつ念仏のように唱えると頭に残ります。
改めてですが、この効果は、学習した内容を声に出して読むことによって記憶に残りやすくするというものです。具体的には、文章や単語を読んだ後、それを声に出して再度読むことで、記憶により強く残すことができます。
別の視点で、このアプローチは「リプロダクション」と呼ばれることもあり、主に通訳士の訓練方法として用いられます。このトレーニングでは、耳から聞いた内容を再生、再現する能力を鍛えます。これは、リスニング能力とスピーキング能力の強化に効果的です。学習者は、聞いたフレーズを完全に受け止め、そのまま口に出すことにより、英語を話す感覚を実感できます。このプロセスでは、話す際の文法や語順を確認し、正しい発音にも注意を払う必要があります。
さらに、プロダクション効果の効果についての具体的な研究結果もあります。ある研究では、言語学習者が言語の生産(つまり話すことや書くこと)に集中した場合、理解に集中した場合と比較して、語彙の理解や文法的依存関係の理解テストで優れた成績を示したことが報告されています。この結果は、言語を学習する際に言語を生産することが、その後の理解を改善することを示しており、記憶と学習、言語表現、教育実践に関する理論に影響を与えます。
これらの研究結果は、英語学習において声に出して読むことの重要性を示しています。学習した内容を声に出して表現することで、その内容をより深く、効果的に記憶することができるのです。
声に出して読むことで、記憶に残りやすくなるため、英語のテキストを読む際には大声で読んでみましょう。近所迷惑にはご注意・・・
参考文献
The production effect in memory: multiple species of distinctiveness, Psychol., 11 August 2014, Volume 5 – 2014
ライトナー・システム(The Leitner System)
スペースド・リピティション(間隔を空けた繰り返し学習)を基にした方法です。フラッシュカードを用いて、知っている単語とまだ学ぶ必要がある単語を整理します。
ライトナー・システムは、フラッシュカードとカードボックス、そしてスペースド・リピティションのスケジューリングシステムを使用して、学習と記憶を改善する学習方法です。1972年にセバスチャン・ライトナーによって考案され、スペースド・リピティションを利用する最初の方法の一つとされています。
ライトナー・システムの基本は、3つのフラッシュカードボックスを使用することです。ボックス1が、すべてのカードの初期位置です。フラッシュカードを取り出して、単語の意味を正解出来たら、次のボックスに進みます。間違ったカードは1に入れます。セッション2はボックス1とボックス2のカードを見て、正解出来たら次のボックスに進みますが、間違ったカードは初期位置であるボックス1に戻ります。セッション3では、1、2、3のカードを順番にすべてみます。間違ったら1、あっていたら次に進みます。このようにカードを次々とみていきボックスの位置を変えていきます。こうすることにより、なかなか覚えにくかったカードは頻繁に出てくることになり、既に覚えてしまったもの、簡単なカードはそれほど頻繁には出てきませんので、効率よく覚えることができます。
これを繰り返すことにより忘却曲線に打ち勝つことができるのです。長期記憶を促進するとともに、忘れてしまった単語をすぐに思い出すのに役立ちます。。
また、記憶から情報を積極的に取り出す行為も、ライトナー・システムの重要な原則です。アクティブに思い出そうとすることは、単に再読み込みするような受動的な学習方法と比較して、長期記憶の保持を大幅に向上させることが科学的に証明されています。
ファインマン・メソッド(The Feynman Method)
ファインマン・メソッドは、ノーベル賞受賞物理学者リチャード・ファインマンにちなんで名付けられた学習法で、教えることを通じてより効果的に学ぶ方法です。この方法は、特に複雑な概念を理解するために、その概念を子どもに教えるかのように簡潔に説明することを要求します。このプロセスには、学習内容を簡素化し、明確かつ簡潔な言葉を使う必要があり、これが理解の促進に役立ちます。また、この手法は知識のギャップを明確にし、それを埋めるのにも役立ちます。
- 主題を選ぶ: 学習したい特定の知識や理解したい分野を明確にします。
- 子どもに説明するようにふるまう: この知識や理論を子どもに説明するように声に出して話します。言葉を簡素化し、必要に応じて例え話を使います。
- 理解のギャップを振り返る: 説明を見直し、どの部分がうまく説明できなかったか、どの詳細が欠けていたかを確認します。
- 簡素化してステップ2を繰り返す: ステップ3の反省に基づき、説明をさらに簡素化してステップ2を繰り返します。
この方法の主な利点は、知識のギャップを早期に特定し、それを埋めることができる点にあります。また、コミュニケーションスキルの向上にも寄与し、ファインマン・メソッドで学ぶことは、知識のギャップを埋めるだけでなく、他人に知識を伝えるスキルも強化します。さらに、この方法は批判的思考を促進することで、日常生活においても応用可能なスキルを養います。
これらの方法は、英語の語彙を効果的に記憶し、理解を深めるのに役立ちます。英語学習においては、多様な学習方法を試し、自分に最適な方法を見つけることが重要です。それでは、楽しく学習を進めましょう!